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アフターピルには3種類がある?
単に「ピル」と言った場合、低用量ピルをイメージする方が少なくないのではないでしょうか?低用量ピルの使用は、決められた方法で継続的に飲み続けなけることで、避妊や、月経困難症の改善などをする薬です。
一方、低用量ピルと違い、望まない妊娠を避ける目的で、リスク行為後に服用できるピルとしては、アフターピルが知られています。
月経周期によって得られる効果は正確には変わってくるのですが、一般的には排卵を抑制したり、排卵を遅延させることと言われます。避妊効果は飲む方の体質や、薬によって異なりますが、8割の女性で5日間程度続くとされています。
緊急時に避妊目的として使用できるアフターピルには、
- レボノルゲストレル
- エラワン
- ヤッペ法
という3種類が存在します。
避妊目的ではとても便利なアフターピルですが、医師の指導のもと、少しでも自分にあったものを使用することが大切になります。今回はそれぞれのアフターピルの特徴や購入方法について解説していきます。
アフターピルの種類1「レボノルゲストレル」の特徴
黄体ホルモンのレボノルゲストレルを主成分としているアフターピルです。
レボノルゲストレル成分は、排卵前と排卵後どちらで使用しても高い効果がありますが、特に排卵前に使用した場合は高い効果が期待されます。
特徴としては「排卵を抑制する」、「子宮内膜の増殖を抑制する」という2つの効果から妊娠を妨げる事に高い効果があります。
アフターピルの種類2「エラワン」の特徴
エラワンの主成分はウリプリスタール酢酸エステルであり、黄体ホルモンが使われていない最新のアフターピルです。
エラワンの成分であるウリプリスタール酢酸エステルは、日本では主に子宮筋腫治療や月経過多の治療薬として使われています。
またエラワンにもレボノルゲストレルと同じ様に「排卵を抑制する」という効果があり、高い避妊効果があるので海外では普及され始めています。
一番の特徴としては、性行為から5日以内であれば使用でき、長い期間で高い避妊効果があることです。
アフターピルの種類3「ヤッペ法」の特徴
ヤッペ法は、緊急避妊法の一つであり、正確にはアフターピルとは異なります。ヤッペ法はいわゆる中用量ピルをリスク行為後72時間以内に2錠、その12時間後に2錠服用するという避妊の方法です。
ヤッペ法での避妊はアフターピルに比べ妊娠阻止率が低いことが報告されています。
アフターピルの種類ごとの避妊効果とは?
それではそれぞれの避妊効果の説明をしていきます。
まず、レボノルゲストレルの避妊効果ですが、性行為から3日以内に使用することが出来れば約8割近い避妊効果があります。
ただ75キロ以上女性への使用では、避妊率が8割程度になることや性行為から3日過ぎての使用では効果が薄くなってしまう事があります。
次にエラワンの避妊効果ですが、性行為から3日以内に使用した場合の避妊率は100%に近い成功率です。
またエラワンは性行為から5日以内なら持続して高い避妊効果があり、体重に関しての避妊率の低下もありません。
最後にヤッペ法の避妊効果ですが、他の2種類のアフターピルよりは避妊率は落ちます。
どの種類でも共通している事は、避妊無しでの性行為を行った場合は、出来る限り早めにアフターピルを使用することが避妊にはおすすめです。
アフターピルは種類ごとに副作用が異なる?
避妊効果以外にも、時として副作用が出てしまう事があります。
まず、レボノルゲストレルの副作用ですが、月経以外の出血や吐き気、頭痛、めまい、生理の周期の乱れを感じることがあると言われています。
その中でも出血に関しては約2割程度の人があったと答えており、生理周期に関しては約半数もの人がずれがあったと答えています。
次にエラワンの副作用ですが、頭痛や吐き気や嘔吐やめまいや倦怠感や腹痛といった生理現象に似た現象が起こることがあります。
その他には、使用した後1週間から3週間以内に出血が起きたり、生理周期が遅れたりする事も報告されています。
最後にヤッペ法の副作用ですが、一番の特徴は他のアフターピルより強い吐き気があります。
アフターピルの種類ごとの服用方法とは?
アフターピルの服用方法はそれぞれ違い、正しく飲むことで避妊効果が変わってくるので、しっかり服用方法を理解する事が大切になります。
※下記は目安です。アフターピルの処方を受けた時は処方した医師の指示に従って服用してください。
レボノルゲストレル アフターピルの服用方法
作用時間:性交後3日以内
服用方法:1.5mg 錠を1錠服用
エラワン アフターピルの服用方法
作用時間:性交後5日以内
服用方法:30mg錠を1錠服用
アフターピルとしてのヤッペ法の服用方法
作用時間:性交後3日以内
服用方法:中用量ピルを2錠飲み、その12時間後に更に2錠 計4錠
どのアフターピルも避妊効果を求めるのであれば、性交後出来る限り早めに飲むことが一番オススメな服用方法です。
アフターピルの種類ごとの購入方法とは?
アフターピルは種類ごとに値段が異なる?
3種類のアフターピルの特徴や副作用の面から違いついて解説してきましたが、もちろん価格も大きく変わってきます。
レボノルゲストレル アフターピルの価格
- 海外製レボノルゲストレル:約4,500円~約6,000円
- ジェネリック製レボノルゲストレル:約6,000円~約8,000円
- レボノルゲストレルノ:約10,000円~約15,000円
エラワン アフターピルの価格
- 約5,000円~約6,000円/1箱
ヤッペ法 アフターピル価格
- 約7,000円~約9,000円(薬剤料+指導料)
※別途検査代がかかることがあり、病院によって異なります。
アフターピルは種類ごとに購入できるところが違う?
アフターピルの購入方法ですが、レボノルゲストレルとヤッペ法は同じく産婦人科医院での購入が可能ですが、エラワンは手に入りにくいことがあります。
アフターピルの種類、あなたに合ったものとは?
アフターピルの種類できるだけ副作用のでないピルを飲みたいという方
避妊効果があるアフターピルを副作用なく使いたいのであれば、産婦人科医院で診察をしてもらい自分に合ったアフターピルを使うことがおすすめです。
アフターピルの種類|とにかく早く欲しいという方
アフターピルを一番早く手に入れたいのであれば、近くの産婦人科医院に行き処方してもらうのが一番早く手に入ります。
ただ、産婦人科医院には診察曜日や時間があるので、オンラインでは即日配送のサービスを行っていることもあるので早くに手に入れることが出来ます。
とにかく早く欲しいという方にはオンライン診療がおすすめ
最近ではオンライン診療をやっている産婦人科医院やクリニックが増えてきています。
昼間の来院が難しい場合や、休日・祝日などで近くの病院へ立ち寄れない場合、オンライン診療を使用するのがおすすめです。
万が一のことに備えて、近場とオンラインの産婦人科医院やクリニックを状況に合わせて使えるようにすることも、自分を守るために大切になります。
まとめ
アフターピルは使い方を間違えなければ、高い避妊率があり、避妊無しで性行為を行った際の保険薬として使うことが出来ます。
アフターピルは3種類ありますが、それぞれ特徴や副作用や価格や購入方法等の違いがあり、女性自身がそれぞれを知り自分に合った物を使うことが大切です。
アフターピルとしてのそれぞれの避妊率は、どのアフターピルを選ぶかによって変化するため、性行為から時間を考え合ったものを使用する必要があります。
アフターピルには副作用がある事も忘れずに、自分で判断するのではなく、病院やオンラインでの診断を行う事がおすすめです。
アフターピルの違いについて今回は解説をしましたが、どの方法でも共通しているのは早めに医師の診療を受けることが大切という点です。
アフターピルは万が一に備えて特徴を知ったり、準備したりすることで女性にとっては心強い薬品になりますので、この機会に怖がらずに向き合ってみましょう。
参考文献:
緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版) |公益財団法人日本産科婦人科学会
[最終更新日:2021年2月10日]