目次
アフターピルの避妊の確率はどのくらいなのか
「膣内に射精してしまった」
「コンドームが途中で破けた」
「性犯罪にあった」
など、避妊に失敗した時に活躍するのがアフターピルという薬です。
アフターピルとは、妊娠を避ける目的で性交渉の直後に服用する薬で、別の呼び方で、緊急避妊薬とも言われています。
レボノルゲストレルという黄体ホルモンを主成分とするものが一般的に利用されており、2011年に認可されて医療機関で処方されるようになりました。
妊娠の成立を阻止するため、人工妊娠中絶とは異なるもので将来の妊娠に与える影響は限りなく少ないと言われる避妊の最終手段です。
ここで気になるのは、アフターピル用いるとどれだけの確率で避妊できるのかということだと思います。
ここではアフターピルの避妊確率について考えていきましょう!
アフターピルでも100%の確率では妊娠を防げない
アフターピルには制限時間があります。
しかし、時間内に服用しても100%避妊が成功するわけではありません。
アフターピルの作用機序としては、排卵や受精卵の着床に関係があります。
排卵の前にアフターピルの効果が現れれば、排卵を遅らせて受精そのものを防ぎます。
また、排卵の後であれば受精そのものを防ぐことはできませんが、受精卵の子宮への着床を防ぐことができます。
アフターピルを服用してから約1週間は排卵がなくなるため、この期間に膣内に入ってくる精子は受精能力をほぼ失い、妊娠が成立しなくなるのです。
このような働きのあるアフターピルですが、100%の確率で妊娠を防げるわけではありません。
性交渉直後に服用したとしても避妊率が100%になることはありませんので、経過観察が必要になります。
アフターピルでの避妊の確率は時間によって変わる
アフターピルの避妊率は100%でないことがわかりました。
実はアフターピルの避妊率は、性行為から服用するまでの時間によって変わるのです。ここではアフターピルの避妊率と時間の関係性を解説していきます。
アフターピルを24時間以内に服用、避妊の確率は
性交渉から24時間以内にアフターピル(ノルレボ)を服用した場合、避妊の確率は98.5%となります。
12時間以内に服用した場合はさらに確率が低くなり、99.5%になります。基本的には性交渉からの経過時間が短い方が効果が高いと考えられています。
アフターピルは時間によって、避妊の確率が下がっていく
早く飲めば飲むほど避妊の確率が上がるアフターピルですが、逆を言えば、服用が遅れれば遅れるほど避妊率が保証できなくなるということです。
性交渉から36時間以内にアフターピル(ノルレボ)を服用した場合は避妊率98.2%、48時間以内で97.4%、60時間以内で96.9%、72時間以内で95.9%と、避妊確率が下がることが報告されています。
アフターピルにより避妊確率を上げるには、72時間以内の服用が最適
上記より、アフターピルによって避妊率を上げるには、72時間以内の服用をおすすめしています。
つまり、3日以内ということです。日本で認可されているアフターピルの多くは、1錠を72時間以内に服用するように決められています。保険適用にはなりませんが、1回につき6,000~20,000円で処方してもらえ、従来に比べると副作用も少なくなってきています。避妊に失敗した場合はなるべく早くアフターピルを服用しましょう。
なお、アフターピルの副作用には吐き気・嘔吐・下痢・不正出血・乳房の張り・めまい・頭痛・倦怠感などがあります。いずれも重症化することは少ないとされますが、いつでも医師に相談できるようにしておきましょう。
注意すべき点は、薬品の副作用などで吐き戻してしまった場合です。特にアフターピル服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合はアフターピルの効果が十分に得られないことがあるからです。アフターピル服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は医師に相談しましょう。
アフターピルを72時間が経過した後に服用、避妊の確率は
アフターピルによって避妊率を上げるには72時間以内の服用が基本、ということがわかりました。では、72時間を過ぎてしまった場合はアフターピルの効果は全くなくなってしまうのでしょうか?
アフターピルを避妊の確率を上げるために
現段階では、性交渉から120時間以内に服用するアフターピル服用でも63%の避妊率が確認されている薬もあります。
したがって、性交渉から72時間経過したから避妊のためにできることはないということではないのです。
詳しくは各クリニックの医師と相談し、服用するアフターピルを決めていきましょう。
アフターピルによる避妊が成功すれば月経が起こります。
また、多くの女性でアフターピル服用後3日以降に「消退出血」という出血が2~3日続きます。消退出血は避妊が成功したという1つの目安です。
消退出血が出現しない人もいれば、単純な不正出血の可能性もあるので、消退出血は100%避妊が成功したというサインではありません。
避妊が成功したと考えてよいのは次の月経が来てからですので、それまでは体調に注意しましょう。
また、アフターピル服用後3週間での妊娠検査薬も効果的です。なお、女性の生理周期は25~38日で繰り返されますが、アフターピルの影響で10日ほどずれる可能性もありますので覚えておいてください。
アフターピルを危険日に服用、避妊の確率は
アフターピルは、服用してから1週間ほどの間排卵を遅らせてくれるので、避妊効果があります。では、もし危険日と言われる排卵日に性交渉を行なって服用した場合はどうなってしまうのでしょうか?
アフターピルによる避妊効果は排卵日でも確認されている
結論から言うと、アフターピルの避妊成功は危険日でも確認されています。
排卵の後であれば受精そのものを防ぐことはできません。
それでも、受精卵の子宮への着床をアフターピルが防いでくれます。
このように、アフターピルは排卵前・排卵日・排卵後でも妊娠確率を下げることに効果を発揮します。
アフターピルの服用による妊娠を防ぐ確率を少しでも上げるために
繰り返しになりますが、妊娠を防ぐにはなるべく早めにアフターピルを服用することが大切です。
性交渉から3日以内であれば、高い確率で妊娠の成立を阻止できるとされます。ここでは、アフターピル服用による避妊率を少しでも上げるために大切なことをお伝えしていきます。
ネット通販のアフターピルにはリスクがある
アフターピルをネット通販で購入することにはリスクがあります。医療従事者ではない個人が正式な手続きを踏まずに購入したアフターピルや、海外から不正に輸入された効果の保証されないアフターピルを誤って購入してしまう可能性もあるからです。
2020年以降オンラインでの処方を行うクリニックも増えていますので、非対面での処方を希望する場合には、医療機関が提供しているオンライン診療サービスを利用しましょう。
アフターピルを早めに服用するにはオンライン診療
ネット通販のアフターピルは危険だとお伝えしましたが、「どうしても病院に行きたくない」と思っている方も多いと思います。避妊に失敗したと医師に伝えるのは恥ずかしい気もしますし、デリケートかつプライベートなことなので相談もしにくいです。
そんな時にはオンライン診療をおすすめしています。
オンライン診療とは、自宅にいながらスマホやパソコンの画面を通して病院を受診する医療サービスのことです。
オンライン診療ならプライバシーが保たれますし、待ち時間なし交通費なしで医師に診てもらえます。
なにより、すぐに薬が届くのもメリットです。アフターピルは時間オンライン診療ならその点も便利です。
まとめ
アフターピルについてまとめていきましたが、いかがだったでしょうか?服用までの経過時間が重要なアフターピルですが、100%妊娠を阻止できる薬ではありません。副作用もあるお薬ですので、医師の相談しながら、服用するかしないかを考えましょう。
[最終更新日:2021年2月10日]