ピルとは避妊や月経痛を和らげるために服用するホルモン剤のことです。
ピルを定期的に服用することで、女性が自分の意志で避妊でき、ホルモンバランスの乱れによるマイナートラブルを回避することができます。
ここでは、気になるピルの値段や購入方法をご紹介します。
目次
ピルの値段は?薬局で市販されている?
ピルの値段は?市販では購入できない!
ピルはドラッグストアや薬局で購入できません。また、薬剤師のいる薬局でも、医師の処方せんがない限り、購入することはできません。
ピルの値段は?市販されていないが病院では購入できる?
ピルの値段は?病院での処方について
婦人科やレディースクリニックなどの病院を訪れ、医師の診察を受け、ピルを処方してもらうことができます。値段はピルを服用する目的や症状によって変わります。
ピルを病院で処方してもらう場合
ピルを服用する
目的や症状 |
診療形態 | ピルの値段
(1シート28日分) |
その他にかかる料金 |
避妊
PMS(月経前症候群) 月経痛 月経過多 月経コントロール 肌荒れ |
自由診療 | 2000~3000円
・病院が独自に設定 ・種類によって変わる |
診察料
処方料 検査料など ※病院が独自に設定 |
子宮内膜症
月経困難症 |
保険診療 | 760~2600円
・種類によって変わる ・同じ薬なら全国一律 |
診察料
処方料 薬剤情報提供料 検査料など ※全国一律 |
ピルを服用する目的が、
・避妊
・月経コントロール
・肌荒れ
などの症状を和らげる場合は、自由診療(自費診療)となります。
自由診療(自費診療)とは?
通常、3割負担の保険診療に対し、全額自己負担となる診療が自由診療(自費診療)です。病院が独自に治療や値段を設定することができるので、病院によってピルの値段も変わります。
自由診療でピルを処方する場合、ピルの1シート(28日分)の相場は2000~3000円となります。その他に、診察料、処方料などが病院によって設定されており、プラスされることもあります。定期的に血液検査を行う病院もありますので、検査料がかかる場合もあります。
病院によって、ピルの値段や診察料が違うので、事前に問い合わせてみるとよいでしょう。最近はホームページに値段を掲載しているクリニックもあります。
取り扱っているピルの種類によって値段が前後することがありますので、クリニック間で比較する場合は採用しているピルの種類にも注目してみましょう。
ピルを服用する目的が、
・子宮内膜症
・月経困難症
などの治療の場合は、保険診療(3割負担)となります。
保険診療とは?
健康保険に加入している場合、それぞれの病気によって検査や治療内容が定められており、その制限内で治療を行えば、医療費が診療費用の3割になります。保険診療の場合、同じ規模の病院で、同じ検査、同じ薬を処方してもらう際は、全国一律の公定価格となりますので、病院によってピルの値段が大きく変わることはありません。
保険診療でピルを処方する場合、1シート(28日分)で760~2600円です。その他、診察料や処方料がかかりますし、必要であれば内診や血液検査などもするので、検査や治療内容によって値段が変わります。
ピルの値段は?市販されていない、ネットで購入ができる?
ピルの値段は?ネットでも購入できる!
ピルはオンライン診療を利用することでネットでも購入できます。
以前は、保険診療、自由診療のいずれも、初診の場合は病院で対面診療をすることが定められていました。ですが、新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点から、2020年4月より初診からオンライン診療が可能となっています。
オンライン診療とは、スマートフォンやタブレットを使って、診療予約、診察、決済、処方までをオンラインで行う診療形態です。薬の郵送を希望すれば、診療~薬の受け取りまでが自宅で完結します。医療機関によっては対応していない場合がありますが、利用できればとても便利なシステムです。
オンライン診療の流れ
1.スマートフォンやタブレットに「オンライン診療アプリケーション」をダウンロードする。
※病院によってはアプリケーションが異なります。LINEなどのメッセージアプリに対応しているクリニックも存在しますので、詳しくはクリニックにご確認ください。
2.医療機関コードを入力する。
3.問診票の入力・保険証の登録などのユーザー設定を行う。
4.診療予約する。
5.予約の日時になると医療機関から発信される。
6.医師とビデオ通話やチャット通話で診察を開始する。
7.決済する(銀行振り込みやクレジットカード決済など)
8.薬(または処方箋)が郵送される
病院で処方してもらう場合と同様、自由診療(自費診療)か保険診療(3割負担)かで値段が違います。病院へ出かける際の移動代や手間を省くことができますが、別途通信料やシステム使用料、処方箋やピルを郵送してもらう際の送料がかかる場合があります。
ピルをオンライン診療で処方してもらう場合
ピルを服用する
目的や症状 |
診療形態 | ピルの値段
(1シート28日分) |
その他にかかる料金 |
避妊
PMS (月経前症候群) 月経痛 月経過多 月経コントロール 肌荒れ |
自由診療 | 2000~3000円前後
・病院が独自に設定 ・種類によって変わる |
診察料
処方料 検査料 送料 通信料・システム利用料 など ※病院が独自に設定 |
子宮内膜症
月経困難症 |
保険診療 | 760~2600円
・種類によって変わる ・同じ薬なら全国一律 |
診察料
処方料 検査料 オンライン診療料 送料 通信料 システム利用料 など ※1:全国一律 ※2:病院が独自に設定 |
避妊や月経痛などの症状を和らげるためにピルを処方する場合は自由診療となります。自由診療の場合、ピルの1シート(28日分)の相場は2000~3000円となります。診察料、服薬指導料、処方料などがプラスされることもあります。
子宮内膜症や月経困難症があり、ピルを処方する場合は保険診療となります。保険診療の場合、1シート(28日分)で760~2600円です。その他、診察料や処方料は病院で対面診療を受ける場合と変わりませんが、オンライン診療の場合は、オンライン診療料がプラスされます。また、初診は病院での対面診察を推奨しているところもありますので、事前に問い合わせてみてください。
アプリケーションやホームページに診療の方法や値段、取り扱っている薬の種類などが掲載されてある場合もあるので参考にしてみましょう。
また、病院やアプリケーションによっては、3か月分や6か月分まとめて購入すると〇%OFFなどのキャンペーンを行っている場合もあります。長期間服用する場合はお得に購入することができるのでチェックしてみてください。
生理や避妊について、薬剤師にオンラインで無料相談できる病院やアプリケーションもありますので参考にしてみましょう
ピルの値段は?ネットは危険なの?
ネットでピルを購入する場合、オンライン診療のほかに、通販サイトで購入する方法があります。
日本では、ピルは医療用医薬品であるため、ネットで販売することは禁止されています。
通販サイトは、海外から安く個人輸入したピルを販売しているため、比較的安く購入することができ、処方せんや面倒な手続きは不要だとうたっているところもあります。しかし、通販サイトの中には危険なサイトもあるため、慎重に判断する必要があります。
みなさんは薬にも偽造品があることを知っていますか?
海外輸入品は、薬剤の有効成分が全く含まれていないもの、十分に含まれていないもの、健康に害を及ぼす成分が混入しているものなど、偽造品が含まれている可能性があります。
海外輸入代行サイトには、商品の品質を保証することが定められていないため、消費者の判断に委ねられることになります。
ホルモンの配合量が不明であれば、避妊や月経コントロールとしての効果も疑わしくなりますし、副作用が強く出てしまう場合もあるでしょう。ピルにまつわる通販トラブルは、他の薬物が混入していたケース、薬剤・薬袋が破損していたケース、全く違うものが送られてきたケースなど、様々な例が報告されています。
通販サイトでは1シート(28日分)あたりの値段相場は1500円前後となります。病院やオンライン診療と比べても一番安く購入できます。
オンライン診療と同様、3か月分や6か月分まとめて購入すると〇%OFFなどのキャンペーンを行っている場合もありますので、利用すればさらにお安く購入することができます。また、特定の通販サイトで購入することでポイントが貯まったり、口コミ(レビュー)を投稿するとポイントがもらえるサイトもあります。
ネットでピルを購入することが危険なのではなく、医師の処方がない場合が危険です。お金と引き換えに、健康を損なうことがありえる通販サイトでピルを購入することはお勧めできません。
ピルの値段は?どこで買うべき?
ピルの値段は?病院がお勧めの人は?
ピルには月経痛や月経過多などの症状を和らげる作用がありますが、この症状には子宮内膜症・月経困難症などの病気が潜んでいる可能性もあります。初めてピルを服用する場合や気になる症状・強い症状がある場合は、病院で医師の診察を受けることが望ましいです。
病院であれば、必要に応じて、内診や血液検査などを行ってくれるので安心できます。
また、ピルを服用するにあたり注意が必要な方がいます。ピルはホルモン剤なので、ホルモンの過剰産生が原因で起こる病気の方は慎重に服用する必要があります。また、ホルモン剤には血が固まりやすくなる作用があるので、血栓症のリスクが高い方は服用できません。
以下に該当する方や持病のある方は、病院で医師と相談してみてください。
・乳がん、子宮頸がん、子宮筋腫などの既往や疑いのある方
・重度の高血圧症の方
・血栓症の既往のある方
・ヘビースモーカーの方(1日15本以上)
・重度の肥満の方
・脳血管障害や心疾患、腎疾患、心筋梗塞などの既往のある方
・40歳以上で初回投与の方
・定期的に内服している薬やサプリメントがある方
・手術を控えている方
・妊娠中、授乳中の方 など
また、ピルには重度ではありませんが、以下の副作用も認められています。
・吐き気
・胸が張る
・不正出血
・頭痛・下腹部痛
・むくみ など
服用から2~3か月経って身体が慣れることで治まってくる場合がほとんどですが、治まらない場合は医師と相談してピルの種類を変更することもあります。副作用が心配な方は、病院で医師に処方してもらいましょう。
ピル服用中に他の薬を服用したい場合や、何か気になる症状がある場合などは、病院に問い合わせ、医師や薬剤師の指示を仰いでください。
ピルの値段は?ネットがお勧めの人は?
ピルを服用した経験がある方、血栓症などのリスクがない方には、ピルを服用する目的が避妊や月経コントロールの場合はオンライン診療という選択肢もあります。
忙しくて病院に行く時間がない方や病院が近くにない方でも、待ち時間がなく、どこにいてもピルを購入することができるので便利です。
現在は、新型コロナウィルス感染症が流行しているため、不要不急の外出は控えたいところですよね。オンライン診療での処方であれば、病院へ足を運ぶ必要がないので、他者との接触・二次感染を防ぐことができます。
まとめ
ピルの値段や購入方法をまとめてみました。ピルを上手に活用することで、これを読んでいるあなたが毎日ハッピーに過ごせますよう、お祈りいたします。
参考記事:
海外規制当局が健康被害について公表しているもの|一般社団法人偽造医薬品情報センター
低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)|低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤のガイドライン作成 小委員会
[最終更新日:2021年2月12日]