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低用量ピルを飲むと乳がんになりやすい?

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パートナーとのライフプランにおいて出産のタイミングは重要なポイントです。

そのために避妊することにも配慮していかなければなりません。

月経開始日を意識して、ピルをきちんと服用すると約99%の確率で避妊ができることが、人で行った臨床試験の結果として報告されています。

一方でピルの服用には理解するべきリスクもあります。

今回はピルと乳がん発症リスクとの関係を、その確率や服用期間について臨床研究結果に基づいて紹介します。

ピルと乳がんについて正しく理解することで人生設計に賢く役立てましょう。

 

ピルを服用することで乳がんのリスクは上がるの?

(アカデミックな統計傾向の紹介です。実際どうなのかを手っ取り早く知りたい方は読み飛ばしましょう!)

ある病気のなりやすさを調べる研究としてコホート研究というものがあります。

ここではピルを使用した人と使用しなかった人を数年から数十年にわたって追跡し乳がんになったか否かを調査する研究を指しています。

乳がん診療ガイドラインでは、乳がん発症リスクを増加させることが確実とされている要因として、生活習慣に関係する肥満、飲酒、喫煙、糖尿病が挙がっています。

ではピルを服用することはどうでしょうか。

2000年以降にピルと乳がんの関係について幾つかの研究報告がされていますが、ピルによって乳がんの発症リスクが増加したという報告と、増加しなかったという両方の報告があります。

これらの研究結果を踏まえて日本産科婦人科学会のガイドラインでは、ピル服用には乳がん発症リスクを増加させる可能性があるとしています。

そのため乳がんに罹っている患者のピル服用は禁忌とされており、一度乳がんになって5年間以上再発しなかった方には慎重に服用させることとしています。

一方で、乳がんになった家族がいる場合は自分も乳がんになるリスクは増加しますが、ピル服用で、そのリスクは増加しないとの報告があり、乳がん家族歴のある人のピル服用は禁じなくて良いとされています。

しかし、がん抑制タンパクの遺伝子BRCA1/2に変異がある人は、ピル服用で乳がん発症リスクが増加することが知られています。

乳がんの家族歴のある方がBRCA1/2遺伝子検査を受けているとは限らないため、ガイドラインでは乳がん家族歴のある女性にはピルを慎重に服用させなければならないとしています。

このようにピルの乳がん発症リスクについては、確実な要因である生活習慣に比べて可能性があるという状況ですので、さらに詳しくピルの服用期間や、乳がん発症の確率について、実際の数値として確認していきましょう。

 

ピルをどのくらいの期間服用すると乳がんの確率は上がるの?

ピル服用者と非服用者の比較に関して、1976年から2012年の36年間、約12万人を追跡した米国のコホート研究があります。

この最近の論文では、52.3%のピルを服用してない人と、47.8%のピル服用者を比較して、罹った病気や死因を追跡調査しています。

調査開始から18年後である1994年の中間時点におけるデータでは、ピルを服用していない人が乳がんに罹った割合は13%で、ピル服用者では14%と差は認められませんでした。

またこの論文では死因となった病気のなりやすさをオッズ比で求めています。オッズ比とはピル服用者で乳がんが死因となった割合を、ピル非服用者の乳がんが死因である割合で割った値です。

ですので、オッズ比が「1.0」を超えると、乳がんがピル服用者の死因になりやすいのだということが分かります。

さらにオッズ比が信頼できるか否かも含めた統計解析の結果によって、ピル服用者が乳がんに罹りやすいかどうかが判定されます。

36年間でピルを服用していない人の約2万人が、服用者では約1万人が死亡しています。乳がんが死因となった割合は、ピルを服用していない人で6.7%、ピル服用者は8.5%でしたが統計学的に有意な差はありませんでした。

一方で、ピル服用が5年以上になると乳がんが死因となる割合が増加するという統計学的に有意な結果が示されました。

さらにピルの服用を止めて10年以上するとピルを飲んでない人と比べて乳がんが死因となる割合は変わらないということも報告されています。

このように実際の数値として乳がんが死因となる確率は、5年以上のピル服用で僅かに増加する結果でした。

 

ピルの中にも乳がんになりにくいものがあるの?

ピルは避妊の他にも、月経期間中に起こる痛みや吐き気などの症状、いわゆる月経困難症にも効果があります。また月経の周期を整えることや、卵巣機能不全による不妊症治療にも用いられます。

ピルは、女性生殖の発育に関わる卵胞ホルモン(エストロゲン)と、妊娠の状態を準備、維持する黄体ホルモン(プロゲステロン)を、それぞれ人工的に合成して配合した錠剤です。

妊娠はホルモン量が時間と共に適切に調節されることで、うまくいくため、ピル服用でホルモン量を一定にすることによって避妊効果をもたらします。日本ではピルの認可が欧米より遅れており、欧米では避妊と月経困難症に適用のあるピルが認可されていますが、日本では避妊と月経困難症の両方を適応としたピルが認可されていないのが現状です。

ピルに含まれる合成エストロゲンであるエチニルエストラジオールが1錠中50μgより多いものを高用量ピル、50μgのものは中用量、30-35μgを低用量、30μgより少ないピルを超低用量と分類されています。

7-8割の乳がんでは、乳がん細胞が増殖するためにエストロゲンを必要としているため、ピル中の合成エストロゲン量は乳がん発症リスクと関係していると考えられています。

実際に超低用量ピルは低用量ピルに比べて、乳がんの発症リスク上昇が認められないことが示唆されています

しかし日本では避妊を適用として認可されたピルは低用量のものであり、超低用量ピルは月経困難症などに適応があり避妊には適応がありません。

避妊を目的としたピルは日本では健康保険が効かない自由診療です。費用は病院によって決められる一方で、医師と患者で避妊方法を選ぶことが出来ます。

ピル1錠中に含まれるエチニルエストラジオール(合成エストロゲン)量を参考に乳がんリスクも含めて適切なピルを医師と相談して選んでいきましょう。

下表に日本で避妊適用のあるピルのホルモン含量と服薬方法、後発品の有無をまとめてみました。

服薬方法はピルによって異なり、かつ複雑ですので注意してください。プラセボ錠とは、合成ホルモンが入っていない錠剤の事で、薬を服用していないこと(休薬)と同じです。28日周期で服用する薬なので服薬日を間違わないように休薬日にも錠剤を続けて服用する工夫がしてあります(マーベロン21だけは、プラセボ錠が無く7日間は薬を飲まない休薬をします)。

 

ピル(薬剤)名 1錠中の合成ホルモン量(μg) 服薬方法

(用量用法)

後発品
卵胞ホルモン 黄体ホルモン
シンフェーズT28 淡青色錠 月経開始の次の日曜日から服用。服用開始1~7日目と17~21日目に1日1回1錠
35 500
白色錠 服用開始8~16日目に1日1回1錠
35 1000
だいだい色錠 服用開始22~28日に1日1回1錠
*プラセボ錠
アンジュ21

アンジュ28

トリキュラー21

トリキュラー28

赤褐色錠 月経開始第1~6日目に1日1回1錠 ラベルフィーユ
30 50
白色錠 月経7~11日目に1日1回1錠
40 75
黄色錠 月経12~21日目に1日1回1錠
30 125
赤色錠 月経22~28日目に1日1回1錠
*プラセボ錠
マーベロン21

マーベロン28

白色錠 月経開始第1~21日目に1日1回1錠 ファボワール
30 150
緑色錠 月経開始22~28日目に1日1回1錠

*マーベロン21では服用しない

*プラセボ錠

最後に

ピルと乳がんの関係について臨床試験の詳細なデータで確認しました。

また乳がんに罹っている人やBCRA1/2遺伝子変異のある人はピルの服用が制限されることや、乳がんリスクと関係のあるエストロゲン量に留意したピルの選び方なども解説しました。

ピルは避妊の効果が高い半面、血栓症などの副作用があります。

また、ピルを服用してよい年齢や喫煙歴、服用してはいけない基礎疾患をもたれている方がいますので、医師と相談して自分と家族に最適の避妊方法を相談することを、おすすめします。

[最終更新日:2023年2月3日]

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