ピルという薬があることはご存知でしょうか?
ピルという薬は2つの女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)かそれと似た働きをする成分でできています。
例えば下記のような場合に処方してもらえます。
- 月経前・月経中の不調
- 生理の1~2週間前になるとイライラしたり情緒不安定になる
- 人生の大事なイベントの理由で生理を早めたい遅らせたい
- 計画的に避妊したい
一部のピルには副効用といって、肌荒れやニキビを改善するという効果も期待されます。
※必ずしも全ての女性に上記のような効果があるとは限りません。また、既往歴や体質によっては処方ができない方もいます。
目次
ピルによって吐き気がすることはあるの?
ピルを内服するときに気がかりなのは、副作用は大丈夫なのか、副作用で日常生活や仕事に支障はきたさないかということです。ここでは、ピルを内服したときにおこるマイナートラブルの1つである吐き気に絞って解説します。
ピルによる吐き気はなぜ起こる?
ピルを内服するときにおこる吐き気は、ピルの成分からくるものです。
ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンに似た成分が配合されています。この2種類のホルモンの内、吐き気は、卵胞ホルモンが原因であることが多いです。一般に低用量ピルと呼ばれる薬は副作用を抑えるため、卵胞ホルモンの濃度を低く配合しているため低用量ピルといわれています。
それでも服用開始初期や、体質によっては強い吐き気を感じる方もいます、原因を見ていきましょう。
ピルによる吐き気はホルモンによる影響!?
ピルの薬としての仕組みが吐き気を発生させている可能性があります。ピルは女性の身体を妊娠している状態に近づける効果も持っていて、それがつわりのように吐き気を起こしてしまう
女性の体は妊娠に備えて生理周期を繰り返しています。
ピルにはこの生理周期に影響するホルモンである黄体ホルモンと卵胞ホルモンが含まれています。
この卵胞ホルモンと黄体ホルモンをあらかじめ身体の中に取り入れることで、本来のホルモン分泌を抑制するなどして女性の身体のリズムに影響します。
偽妊娠の環境をつくることになりますので、妊娠しているときに似た吐き気がおこるというわけです。
ピルによる吐き気はいつ起こるのか?
ピルの内服による吐き気は、個人差があり、内服して数時間でおこる人もいれば、吐き気を感じないという人など様々です。
一つの目安になるのは、ピルの服用をはじめて3ヶ月は吐き気をはじめとする副作用が出やすいということです。
何よりも、副作用は起こるかもしれないと理解したうえで内服することが重要です。
ピルによる吐き気は1日以内には治る?
ピルの副作用の1つである吐き気は、服用を続けることで身体が慣れてくると治まるといわれていて、吐き気がいつまで起こるのかは、個人差があります。
日本産科婦人科ガイドラインによりますと、長くても1シートの3周期あたり(3ヶ月目)までは治まるといわれています。
ピルによる吐き気がいつまでも治らない!対処方法は?
ピルを内服してからの吐き気が半日経過しても治まらない、いつまでも治らない、または吐いてしまった場合は注意が必要です。
もし吐き気が治まらない場合は、気を紛らわせればすむ程度であればハーブティを飲む、散歩や読書、好きな音楽を聴くなど工夫して見たり、夜寝る前に飲むなど服用タイミングを変えてみることもおすすめです。
もし、24時間以上嘔吐や下痢が続いている場合は一旦飲むのを中止し、回復したあとの服用再開をすることが推奨されます。
しかし、もし症状がひどい場合は、まず医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
ピルを服用して吐いてしまった!どうすればいい?
ピルを服用し2時間以内に吐いた場合の対応方法
服用後2時間以内に嘔吐してしまったり、下痢をしてしまった場合にはできるだけ早く再度の服用が推奨されています。
ピルを服用し2時間以内に吐いた場合の避妊効果は?
2時間以内に吐いてしまったり、下痢をしてしまったときに避妊率にどのような影響があるかについては信頼のできるデータがまだありません。
しかし、正しい服用方法でピルを飲んでいた人のうち、避妊に失敗した人たちは嘔吐や下痢をしてしまった可能性があることが指摘されています。
そのため、避妊をより確実にするには再度の服用をすることがおすすめです。
ピルを服用し2時間以上経過してから吐いた場合は?
次の日、いつもピルを服用している時間に1錠服用しましょう。
まとめ
女性にとって、ピルは正しく服用すればさまざまなメリットを得られる薬です。
ピルはご自身のライフスタイルにあわせて活用することができますが、ピルに限らず薬には副作用があります。副作用への対応方法も頭に留めて、気をつけて服用しましょう。
ピルの副作用の1つである吐き気について解説しました。
この記事が役に立てば幸いです。
参考文献: